人間失格の毎日

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おすすめドイツ映画まとめ

世界中に映画は数えきれないほどあるわけで…

 

一見無限に見えるTSUTAYAの棚には並ばない色んな国の隠れた名作映画を見てみたいなあというのが今の願いです。

 

どうも、boku_watashi です。

 

スマホ中心に世界が回るようになってから、”ストリーミング”という言葉をよく耳にするようになりました。

昨今はなんでもストリーミング。

音楽や映画は娯楽はストリーミングなしでは味わえなくなってきつつあります。

 

限られた選択肢の中から最良を選ぶのもいいですが、たまには無限にある選択肢の中で冒険してみてはどうでしょう。

そこで今回は日本で普通に生きてたら観ないかもしれないドイツ映画をご紹介したいと思います。

 

 

 まずは日本のどのレンタルショップにも必ず置いてある映画。

Lola rennt

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午前11時40分、裏金の運び屋をしている恋人が10万マルクを電車に忘れてきたと電話してきた。「12時までに10万マルクが手に入らなければボスに殺される!」恋人のピンチを救うため、ローラはベルリンの街を駆け巡る。

物語は3つのストーリー仕立てになっていて、まるでゲームのように上手くいかなかったらまた最初の電話のシーンに戻ります。映画中ずっと流れているテクノ音楽やたまに入るアニメ映像が一周回って新しい。

 

 

 

ドイツ映画といえば第二次世界大戦ヒトラー、とにかく鬱なんてイメージが付きがちですが、ジャーマンコメディも捨てたもんじゃありません。

 

Willkommen bei den Hartmans 

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教師を退職し、子供二人も自立し、医師の夫と二人で何の不自由もない生活をしていたおばはん。でも退屈な毎日に飽き飽きしていた。「このまま歳をとっていくのは嫌。」そうして社畜の息子と31歳なのに未だに学生の娘、老いへの恐怖から整形手術を繰り返す夫というそれぞれ問題を抱えた家族が集まったディナーの席で難民を一人受け入れることを宣言。家族は反対したが、ついにナイジェリア人の一人の少年が家に招かれることになった。難民のもてなし方が分からないドイツ人一家はタジタジ。さらに近隣住民の抗議が極右デモに発展し、街は大混乱。

今ドイツが抱えている難民問題をコメディータッチに描きつつ、ドイツ人の心の問題にもフォーカスを置いた面白い映画です。

 

 

 

Er ist wieder da 

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大ヒットした小説をもとに作られた映画。自殺直前の記憶を失い、2011年にタイムスリップしたヒトラーは、ベルリンの住宅地の裏で目を覚ます。誰一人自分を総統として認識していないことに疑問を抱き、状況を把握するために立ち寄ったキオスクの店主にものまね芸人と誤解され、テレビディレクターを紹介される。そのテレビディレクターによってトーク番組に出演し、現代ドイツで問題になっている移民を過激に風刺。その映像はインターネットで大拡散された。こうしてヒトラーは一躍人気コメディアンになった。その人気を「ナチズムを支持する声」と解釈したヒトラーは、再び政界に進出することを考えていた。

少しドキュメンタリーチックな撮り方がよりリアルです。本当にタイムスリップしたヒトラーがどこかにいるような感じは少しゾクゾクします。そしてエンディングも納得の終わり方。ネットフリックスにもあった気がするので是非皆さん観てみてください。

 

 

 

まだ日本語題もつけられていない2019年上映されたばかりの新しい映画です。字幕制作する会社の人、ぜひぜひお任せ下さい。

 

 

Prélude

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音大ピアノ学科に入り、そこそこ充実した生活を送っていたイケメン主人公。寮で出会った同じ科の髪ボサ男と親しくなった。しかしイケメン君は髪ボサ男の彼女に段々惹かれ始めてしまう。彼女は同じ音楽学校の声楽専攻だった。そうして二人は密かに関係を持つ。そんな生活が続いていくうちに主人公の中の歯車が段々と狂いだし、段々と周囲の期待に応えることが出来なくなる。

最初は最近よくありがちな映像音楽キレイ系青春映画だと思ったんですが、全然違いました。ホラーです。いや、ホラーじゃないけど主人公がどんどん追い込まれていく様が私には恐怖でした。ずっと同じテンポで流れるピアノのワンフレーズが、頭に残ります。音楽に豊かな映画なのに最後のシーンからエンディングロールまで無音なんです。なんだか自分も何かを喪失したような気分になる映画でした。

 

 

Gut gegen Nordwind

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オーストリア出身作家の小説を映画化した作品。たった今彼女に他に好きな人が出来たと振られたモブ男君は大学で教授をしている。ある日メールボックスを見ていると、見覚えのないメールが入っていた。

開くととある雑誌の定期購読を解約する内容のメールで、モブ男は送り主に送信先を間違えていると伝える。やはりそのメールはアドレスの打ち間違いだったのだが、後日全く同じ内容のメールがモブ男の元に届く。呆れたモブ男は「こういう誤字の仕方はせっかちな人には良くあることです。」と送る。

どうしてそう思ったのか説明を求められ、「今ちょうど大学でメール上でのコミュニケーションについての講義をしている」と言った。こうして二人はメールのやりとりをするようになり、やがて二人が同じ町に住んでいること、男と女であることや、互いの生活環境を知るようになる。

かなり長い期間二人はメールを送りあい、メールの回数も徐々に増えた。顔も見えない相手と偶然始まったやり取りが次第に現実世界にも影響を及ぼしていく。

映画の会話がほとんどメールの文面なのが面白いと思いました。マッチングアプリが当たり前になった現代ではよくある話なのではないのかなと思います。モブ男の視点と相手のモブ子の視点が切り替わって進んでいくところもよかったです。

 

 

Deutschstunde

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直訳すると国語の授業となるこの映画のタイトル。50年代半ば、とある少年は少年院にいた。少年院の中での国語の授業で「義務を与えられる喜び」というタイトルで作文を書かなければならなかったが、少年は与えられた時間内に一文字も書くことが出来なかった。それは彼の人生が義務と自由の境そのものだったからだ。

少年の父親は北ドイツの小さな村の警官だった。当時ナチスが政権を握っていた時代、父親は政権によって定められた絵画禁止令を遵守し、またそれを監視する役割を担っていた。父親には仲の良い幼馴染の画家がいた。しかし父親は友人だろうと容赦なく幹部に報告し、画家は絵を描くことを禁じられた。

それでも画家は描くことを辞めなかった。父親が監視に家に訪れると絵を隠した。父親はそれを感じ取りまだ幼い少年をスパイとして家に送り込んだのだった。少年は父親から褒められたくて、また、画家はいけないことをしていると信じていたので、画家が絵を描いていることを素直に父親に報告した。次の日、ナチスの軍団が画家の家に訪れ、画家の絵は一枚残らず没収された。その一部始終を見ていた少年は自責の念に駆られ、父親が言う「義務」と、画家が守ろうとしている「自由」について考え始める。そうして廃墟になったとある家の壁に密かに持ち出していた画家の絵を飾り始めた。

その廃墟の一室はいつしか少年の隠れ家となり、ある日国軍から逃げ出した兄が帰ってきたときに少年は兄をその一室にかくまる。しかし兄は弱りきっていて、このままでは死んでしまうと考えた少年は兄を画家の家に連れて行った。画家の家で治療を受けた兄は徐々に回復し始めたが、少年と外で遊んでいた際に空爆を受け、またも重傷を負う。そこで初めて父は息子が国軍を逃げ出したことを知る。兄はしばらく実家で休んでいたが、回復の兆しが見えると父親は処刑されると分かっているにも関わらず当局に報告し、兄は政府軍に連れていかれた。

第二次世界大戦が終わる頃、それまで支配していたナチスの勢力が弱まり、今までの義務から解放された時の国民の戸惑いを表しているのかなとも思いました。父親に支配されていた少年がだんだんと画家を通して自我を持ち始めた時、少年にとっては画家の作る芸術品そのものが自由でした。少年は義務に侵された父親から自由を守るのが精一杯だったんだと思います。



 

 

ドイツと言えば1989年のベルリンの壁崩壊だと思いますが、それをコメディータッチに描いた親孝行物語で今日は終わりにしたいと思います。

 

Good Bye Lenin!

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東ドイツの首都東ベルリンに暮らす主人公とその家族。母親は夫が西ドイツへ単独亡命 して以来、社会的制裁から子供たちを守るため熱心な社会主義者になった。そんな家庭環境の中、東ドイツ建国40周年記念日の夜に、主人公は家族に内緒で反体制デモに参加、街中で警官ともみあっていた。それを偶然通りがかった母親が目撃。強いショックから心臓発作を起こして倒れ、昏睡状態に陥る。

彼女は二度と目覚めないと思われたが、8ヶ月後に病院で奇跡的に目を覚ます。しかし、その時にはすでにベルリンの壁は崩壊、東ドイツから社会主義体制は消え去り、東西統一も時間の問題となっていた。「もう一度大きなショックを受ければ命の保障は無い」と医師から宣告された主人公は、思案の末、母の命を守るため自宅に引き取った。周りの助けを得ながら、東ドイツ社会主義体制が何一つ変わっていないかのように必死の細工と演技を続ける。しかしその間にも社会は変わり続け、家の前のビルにはコカ・コーラの広告が掲げられ、国営配給ストアは西側資本のスーパーに変貌していく。

わたしは自他共に認めるアメリファンなのですが、この映画の音楽もアメリと同じYann Tiersen が担当しています。まずファッションから家の壁紙の感じからまんま当時の世界観です。歴史映画って意外と衣装が甘かったりするんです。でもこれはそのまんま。ベルボトムパンツが欲しくなると思います。グッバイレーニンっていうのはそのまま「サヨナラ社会主義」っていう意味なのですが、当時の雰囲気が上手く表現できてる上にストーリーもしっかりしていて間違いなくドイツを代表する映画のうひとつだと思います。

 

 

 

いかがだったでしょうか。機会があればぜひ見てみて下さい!