人間失格の毎日

真面目系クズです。どうぞよろしく。

自意識過剰を自覚してる奴が1番強い

あまりにも自分がハゲにモテることをネタにしてたらリア友からついに

「ハゲにしかモテないくせに偉そうな口聞くなよ。」って理不尽に貶されるようになりました。

 

銀座のホステスになった気分です。

どうも、boku_watashi です。

 

小さい時、自分が見ている世界は全て映画のセットで、出会う人々はオーディションに合格した人たちだと思っていました。私主演の映画が生まれた時から始まっていると。

 

中学二年生のときはなぜか自分はダンスが滅茶滅茶上手いと思い込んでおり、大きな道路に面しているベランダで音楽をかけて毎日踊り狂っておりました。

当時は毎日ここで踊ってればいつか誰かの目に留まり有名になれると思ってたんです。

まあ最終的に家族に「本当に恥ずかしいからやめてくれ。」と言われて泣く泣く辞めました...。

 

そんな純粋な自意識過剰精神は見事に今日まで続いております。

 

電車に乗っていれば数人と目が合うと思いますが、もうかなりの高確率で私は「あらそんなに見とれるほど?オホホ。」と思っています。すっかり気分は有名人。

 

毎回母に「今日電車でイケメンと目があったけどこれ絶対恋の始まり。」と宣言してますが、毎回「あんたねえ。いい加減にしなさいよ。」と飽きられている次第でございます。

 

他にもヒソヒソ話している人がいたら「んもう!褒め言葉なら堂々と言えばいいのに!有名人は辛いわ。」と額に手の甲を乗せて困ったポーズをしております。

 

そう、私たち自意識過剰人間はみんなの注目が自分に集まってると信じて疑わないのです。

 

でも誰だって多少は自意識過剰な部分があると思うんですね。人は基本他人に興味ないですよ。なのに毎日身だしなみを整えたりメイクしたり香水つけたりするのはやっぱりどこかで「見られてる」って思ってるからでしょう?

「良く思われたいから。」って皆さんは言うかもしれないですけど、実際は良いと思うか以前に目線が外れればもう他の事考えてるものなのです。

赤の他人って悲しいですね。

あなたの前に座っているサラリーマンからしたらあなたはただの日常の風景の一部なのです。

 

でもそれを否定して、どうにか自分が特別だと思いたいのも理解できます。

だから私は胸を張って自意識過剰人間と名乗ります。その方が楽しいから。

 

そんな自意識過剰人間な私ですが、私には実は師匠がおります。

 

彼女の名前は三代目サン・イザベラです。勿論襲名でございます。

彼女が退座したら私が四代目サン・イザベラになります。

 

彼女は髪色が右半分と左半分で違うタイプのお方です。先天性とかではなく、ご自分で毎週カラフルに染めてらっしゃいます。

 

師匠は体重100kg超えているのですが、ダイエットという言葉を知りません。やはり膝への負担が半端ないみたいですが、彼女は10年後にはハイテク車椅子が開発されると信じてるので大丈夫みたいです。

 

私が師匠に初めてお会いしたのは夏休み前でした。横断歩道を渡るたびに「あー私もビートルズだわ!!」と大声で言うので、何だこの人と思ったのが始まりです。

 

それから授業がかなり被っていることが発覚。

私は結構初対面ではキザな奴ぶっかますタイプなので、毅然とした態度で授業を受けていたのですが、彼女は気にせずベラッベラ話しかけてくるのです。というかもう彼女の生い立ちを最初の20分で知り尽くしてしまうほど喋ってきました。

最初の方は頷いたりしていたのですが、だんだんめんどくさくなって無視しててももうずぅーーーっと話しているので稀に見る「狂った陽キャ」かと思ったらもうだんだん笑えてきました。

 

一方的に話される日々も1週間くらいが経ち、お昼ご飯を初めて一緒に食べることになりました。

「アタシがこないだ言った元カレの話なんだけどさあ。あ、そのサンドイッチ美味しそう。一口ちょうだい。ウチのママのサンドイッチマジで美味しくないんだよね。ピーナッツバターにきゅうり乗せるんだよ。あの人絶対味覚に問題あるわ。何の話だっけ。そうそう元カレがね。すっごい下手くそだったくせに上手いと思ってんの。未だにそれ信じて疑わないからこないだパーティーで口説こうとしてた女の子に言ってやったの。こいつ入れるべきアナの場所も分かってないって。スッキリしたわ。だって別れた後ブスだって言いふらされたんだもん。そういえばアンタの名前って何?」

 

ッゲエ?!

な、名前?!

 

えっと何だっけ...

 

それくらい強烈な人でした。

 

「アンタの人生全部教えてよ」と言われたのでなんとなく話したのですが、すぐ途中でママの味覚がおかしい話が入るので内容の1割も多分伝わってなかったと思います笑笑

 

私は歌を歌うのが好きで、ちょこちょこ自作の曲を作ってはさいたまスーパーアリーナを夢見てるのですが、偶然にも師匠も歌が好きらしく、常に聞いてるのは自分の歌声を録音した歌らしいのです。

 

「ねえアタシすっごい歌上手いの。ひいおじいちゃんが歌手だから。よかったら聴いて。」

そう言って渡されたイヤホンから流れてきたのはアデルの曲でした。

 

ぶっちゃけ上手いとは言えないアデルでしたが、ほっぺを赤らめてホクホクしてたのでなんだかいいなぁと思いました。

誰にも聞かせたことはなかったのですが、彼女ならまあいいかと思って私自作の録音音源も聞かせたら、「この曲すごい好きだわ!!!」とすごく褒めてくれました。

 

「アタシ思うんだけどアンタとアタシなら絶対有名になれる気がするの。ねえ?私と組んで世界目指さない?」

 

ココ!ココで圧倒されました。ぶっちゃけ歌唱力で言ったら上手い人なんていっぱいいるのにそれでも私のいくらでもありそうな普通の曲で世界目指そうと言うところ。

なのに次の瞬間には世界なんて忘れて元カレの話をし始めるところ。

 

今までは正直少し鬱陶しいなぁと思って聞き流していた彼女の話も急に面白くて仕方がなくなりました。

 

これは弟子入りするしかない...

 

 

この日を境に勝手に弟子を名乗らせて頂いております。

 

師匠といるようになってから私も自意識過剰に拍車がかかるようになりました。

 

毎日師匠の「角に座ってるあの子絶対アタシのこと好きだよねー。ほんとピュアなんだから!」とか、「ねえこのワンピース絶対私のために作られたと思わない?だってサイズぴったりだしたったの15ユーロだもん。」というお話を聞いていると、教室もショッピングモールも映画のセットに思えてくるのです。

 

師匠は毎日キラッキラのメイクで学校に来るのですが、

「アタシメイク大好きだから良くするけど別にメイクで可愛くなってるわけじゃないの。顔がキャンバスだから毎朝落書きして家を出てるだけよ。」と仰っていました。

 

師匠に出会えて本当に良かったと思っています。

 

 

 

 

 

でも師匠のインスタはリアルなハロウィンメイクばかりなのでそれはやめていただきたいです。

 

 

 

 

 

 

 

最後に自分に自信が無くて自意識過剰を認められないあなたにとっておきの映画を紹介したいと思います。

 

 

主人公の一代目サン・イザベラは太ってて、自分に自信が無い。自分を変えるためにフィットネススタジオに来たが、器具から落ちて頭を強く打つ。

そこで目が覚めた世界は自分が一番美しい世界だった。

鏡を見て自信を持ったイザベラはずっと夢だった大手ファッション雑誌の受付嬢になるために面接を受ける。自信満々の彼女に周りが圧倒され、無事受付嬢になることができた。彼氏もでき、今までと180度違う順風満帆な人生が始まる。

ただひとつ彼女が知らないことは、彼女の外見は何一つ変わっていないということ...。