新しいハラスメントを考えてみた
世の中は沢山のハラスメントで溢れている。
誰かに対し不快感を抱くというごく当たり前の感情にハラスメントというデコレーションを加えることによってその不快感はあっという間に立派な被害者意識に変わる。
どうも、boku_watashi です。
私がよく行くカフェにすげー怖い外国人のおばさん店員がいるんですよ。
「あ、クロワッサンください。」っていうと
「他には?!💢」となぜか怒り口調で答えてくる。
先日コーヒーを二つ頼んだのですが、なぜかひとつ分の値段しか打ち込まれてなくて、
「あのー、二つ頼んだんですが...」というと
「ハ?サッキヒトツ頼ンダネ!フタツキイテナイヨ!!」と怒られた。
でも私は確実に二つ頼んだし、これは注文を受けてコーヒーを作った人のミスなんですよ。
それでコーヒー作ったおばさんが「私が忘れてた!ごめんね」と言っても
そこで私は「ハラ...カフェハラ...カフェハラだ!」と思いました。
悟りを開いたブッダのような気持ちになった私は
「もっと!もっとハラを見つけたい!!」
と、ハラ探しの旅に出ることにしました。
すると驚くことに世界はハラで溢れていたのです。
傘を横に持って前後50cmをブロッキングする「傘ハラ」、
永遠にトイレがない「尿ハラ」、
イヤホンの音漏れの「音ハラ」etc...
様々なハラを探していたある日、私はとあるワークショップに参加することにしたのです。
全員初対面の中、まずは自己紹介から始まりました。
と言ってもただ円になって一人ずつ自己紹介するのではなく、教室内を自由に歩いて一対一で会話するというものでした。
しかし会話にはルールがあり、1人につきひとつしか質問をしてはいけません。
私は個性がないと死んじゃうので
「もしあなた以外の全世界の時が止まったら何をしますか」とか、全人類誰もが考えないであろう質問を頭の中に浮かべていました。
開始の時間が来ました。
名前も知らない老若男女40名ほどが一斉に立ち上がり教室内を歩き始めます。
私も遅れを取らないようにさっそく歩き始めました。
するとまず最初に目尻が非常に垂れているストレートロングヘアーの女性が話しかけてきました。
「好きな食べ物はなんですかぁ?」
はぁ?!す・き・な・た・べ・も・の?!?!
今後一生会わないかもしれない人と一対一で話せるという奇跡的な状況で好きな食べ物とか聞くか?!いいの?もっと私のこと知らなくていいの?!
適当に「ガストのチーズハンバーグです...」と答えて、私の渾身の質問を投げかけました。
量産型女子よ、私の一撃に耐えられるか?!
さあ!友達と遊びに行ってインスタに載せないと死んじゃうお前らは自分以外の時が止まったらどうするんだ!!
「えー。まつじゅんに会いにいく!」
たわけが。動かない松潤の唇でも奪っとけ。
次はマーベルのロゴが入ったTシャツを着た思春期真っ只中の男の子。
はっはっはっマーベルとシュプリームのロゴT着てるやつにろくなのはいねーんだよ。
私は相手の様子も伺わずに早速攻撃に出ることにしました。
「世界の時が自分以外止まったらどうする?」
「国会議事堂前でオ○ニーするっす。」
くっ...やるじゃねえか。
スクランブル交差点とかだったらマーベル馬鹿野朗と貶したでしょうけど。
次は社会科教師っぽい風貌のおっさん。
彼の質問は、かの有名なトロッコ問題でした。
絶対倫理教師じゃん!!
「私は多分...直進して5人を殺すと思います。」
私はいつだって周りと違う意見を持っているのです。
「君は功利主義には反対なんだね。ちなみに現代では80パーセント近くが君と同じ答えだよ。」
全然少数派じゃねーじゃん!!
恥かいたわ!!
そのあとは3時間近く話しを聞いたり話ししたりしていたのですが、
いかんせん私は圧倒的にコミュ障でした。
おそらく3時間で口にした単語数は6個くらいでしょう。
最終的にグループ分けをして話し合いをした時も私は全く会話に入れず...
しかし私のとなりに同じく全く話さない女の子がいたのです。
しかも筆箱に私の好きなアニメキャラのキーホルダーがついてる。
私は彼女の行動ひとつひとつがコミュ障そのものだったのでなんだか勝手に親近感が湧いて、ワークショップ終わりに勇気を振り絞って「ライン交換しませんか」と言ったんです。
そしたら快く承諾してくれて、ライン交換することにしました。
アニメオタクでコミュ障ってことは私と同じ陰キャに違いないと思ってたのですが、ポコンと現れたラインのプロフィール画像は...
彼氏とのツーショットでした。
ガッデム。
おわり