中学生で老眼鏡を買わされた話。
名古屋の地下鉄乗ると絶対ドライアイになるんですが、共感してくれる人いません?
どうも、boku_watashi です。
私は小さいころから体に装着する器具とかをかっこいいと思ってて、眼鏡とか歯の矯正とかギプスとか松葉杖、そういったものにただならぬ憧れを抱いていたんです。
その中でも眼鏡が凄くうらやましくてずっと目悪くならないかなぁと思ってまして…暗闇で本読んだり布団の中でゲームしたり、目が悪くなることを一通りしてたんですけど、一向に悪くなる気配がなかったんです。
毎回ちょっと悪くなったかもと思ったら近所の眼科に行き、毎回「私子ちゃんね、両方A。すーごい健康。心配いらないよ。」と女医さんに呆られていました。
そんな中月日がたち、中学三年生になりました。中三になってもまだ眼鏡をあきらめてなかった私はある日、
「あれ?黒板の字が読みづらい…」
と思うようになりました。
日頃の受験勉強のせいでしょう。
まあ一日30分も机に向かってなかったんですけど。
やっと!!やっと眼鏡デビューができる!!
そう思っていつもの眼科に行きました。
また来たか…という女医さんの顔。
ええ来ましたとも!!そして今回はCかDの診断書を持って帰るつもりです!!
胸を張って白い線の後ろに立ちました。白い線がまるでスタートラインのようです。
さあ。ここから始まるんだ。私の眼鏡ライフ。
そして緊張の検査が始まります。
「右、右、左斜め下、上、上、分かりません。」
うおっしゃああああ分からん!分らんぞお!
「左、下」
次は反対の目ェェェェェ!!!
「右、左、下、下、右、分かりません、分かりません。」
分かりません二連発ゥゥゥ!!
へっへっへ女医さんよォ。もう昔の俺とは違うんだぜェィ?
「次、ちょっと補助使って測りましょうか。」
お!
そうしてあのよく言えば近未来的、悪く言えばクソダサい検査用の眼鏡をかけて再スタート。
もう勝利は俺の手の中にある!
2、3回レンズを変えて第一関門は突破。残りは雑魚のみだ。
クソどうでもいい眼圧検査とまぶしい光の攻撃をくらうやつも無事終了し、いったん待合室へ。
「おばあちゃん。今回はいけそうだよ。へっ」
おばあちゃんは興味なさげに女性セブンのページをめくる。
「僕山さーん。」
お、表彰式の合図か。
案内されていった先にはあの女医が私のカルテをめくっている。
「…あのね、眼精疲労。」
なぬっっっ!!
「受験生でしょ?目を酷使しちゃってるのね。多分あんまり慣れない事してるからだね。」
眼鏡はおろか普段勉強してないこともあっさりバレてるではないか…
くっっ所詮僕の一人相撲か…
「あんまり見えづらいようだったら勉強するときだけでも眼鏡かけたほうがいいかもね…」
「めがね!?今眼鏡とおっしゃいました?!」
そして会計のとき。
「僕山さん眼鏡いる?」
「いります!!」
「じゃあこの中から選んで。」
えっ?
え、眼鏡って眼鏡屋で買うものじゃないの?
まあいいや。
「じゃあこれで…」
選んだのは赤いフレームのかっちょいいやつ。
「はい、1500円ね」
えっ?
安すぎん?
ちょっと疑問は残る結果となったがそれでも悔いはない。
私は眼鏡デビューをしたんだ。
こうして私は堂々と眼鏡をかけて病院の扉をあけた。
バァンッ!!!
私としたことが二つ目のガラス扉に気付かず思いきりぶつかる。
おっとあぶねえ!浮かれちまってた。
気を取り直して歩き出した。
ズリィ!!!
そしてその3秒後に私としたことが扉出てすぐの階段でこける。
ん?おかしいぞ?
85歳のおばあちゃんに介抱されながら車に向かうがどうも距離感がわからない。
車のドアもうまく開けられず、これは慣れる慣れてないの問題ではない気がしてきた。
なんかだんだん気分が悪くなってきたし。
あまりにも気持ち悪くなったので外しておばあちゃんに渡したら
「アンタコレ老眼鏡だがね」
えっ?